固定資産税

概要

課税対象は土地・家屋・有形償却資産である。このうち土地と家屋については登記簿等で実態を課税団体である市区町村が把握可能であるのに対し、償却資産については登記等がないため把握できないため申告により償却資産を把握し課税をする方式を取っている。自己所有ではない建物内に行なった造作については償却資産として申告をする必要がある。

23区内では、都税として課税される。

賦課の基準

納税義務者は賦課期日に資産を所有する者であり、賦課期日は毎年1月1日である。一般的に公共の用に供する資産などのような所定の要件を満たす資産は非課税となる。また日本国内に存在しない資産等については課税されない。

税額の算出

固定資産税及び償却資産税については課税標準額に税率を乗じる事により税額を算出する。税率は各市区町村が設定することが可能で、標準税率は1.4/100である。以前は2.1/100までという限度税率の取り決めもあったが現在は廃止されている。

評価

総務大臣は、固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続を定めた「固定資産評価基準」を告示しなければならず(地方税法第388条第1項)、市町村長は、この「固定資産評価基準」によって固定資産の価格を決定しなければならない(地方税法第403条第1項)。なお通常、告示は3年毎に行われる。

評価額と課税標準額

上記の評価基準により決定された評価額より課税標準額を求める。ただし特例もしくは減免、固定資産税(土地)については宅地の住宅按分により減額される場合がある。

固定資産税(土地)

平成5年度までは評価額=課税標準額であったため3年毎に課税標準額が変更されていた。しかし、平成6年度の評価基準の告示において評価額の水準を地価公示価格の7割程度とする事となった。この事(それまでは地価公示価格の3割程度であった)と、バブル景気による地価の高騰の為に前年に比べて大幅な税負担増が発生する恐れがあったため平成6年度からは、毎年当年度の課税標準額と翌年度の評価額を比較し、評価額が上回る場合はその格差に基づく(それより低い)負担水準を算出してそれを前年課税標準額に乗ずる方式に変更された。その為、課税標準額を算定するのに平成6年分から当該年度までの全年分課税標準額の計算をしなければならず、税額の計算を複雑なものにしている。

固定資産税(家屋)

通常、評価額が課税標準額となる。

償却資産

通常、評価額が課税標準額となる。


評価方法

固定資産税(土地)

固定資産税(土地)の評価方法には、主に路線価方式が採用される。

路線価とは、街路に沿接する標準宅地の単位地積あたりの適正な時価に基づいて付設された価格である。路線価には固定資産税における路線価と、相続税における路線価の2つがあり、固定資産税路線価については各市町村が算定し、相続税路線価については、各国税局がそれぞれ算定している。

ちなみに、公的土地評価について相互の均衡と適正化が図られるよう努めるという土地基本法第16条の趣旨等を踏まえ、相続税においては平成4年度から地価公示価格の8割を目途に、固定資産税においては平成6年度の評価替えから地価公示価格の7割を目途に、それぞれ評価を行っている。主要な街路の路線価は、標準宅地前の路線であるため鑑定価格等により求めるが、その他の街路の路線価は、主要な街路と価格形成要因を比べることにより求める。

価格形成要因は、

  1. 道路幅員や舗装などの道路要件
  2. 最寄駅からの距離や大型店舗距離などの交通・接近条件
  3. 下水道やガスの供給などの環境条件
  4. 都市計画用途や建ぺい率・容積率などの行政的条件

がある。つまり、これらの要因は、画地計算時に補正を行う前にすでに路線価に反映されていることになる。

固定資産税(家屋)

固定資産税(家屋)の評価は、家屋が新築または増築された際に現地調査もしくは建築図面に基づいて家屋の構成部分(主体構造・基礎・屋根・外装・内装)毎に評価基準に記載される単価表で単価を計算しその総計を家屋の単価とする。それに延床面積・1年分の経年減価率(前年に建てられた家屋を評価するため1年経過しているとみなすため)等を乗じて評価額とする。

その後評価基準が告示される度に、前年度評価額と理論評価額(新たな評価基準に基づいて再計算された評価額)に耐用年数に応じた経年減価率を乗じた額のどちらか低い方の額を新たな評価額とする。

償却資産

毎年行われる申告により資産台帳を作成し、それに基づき評価額を算定する。

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