不動産会社(ふどうさんがいしゃ)とは、不動産の分譲、賃貸、売買仲介、鑑定・評価などを行う会社のことである。そのうち、自ら土地開発、分譲を行うものはデベロッパーと呼ばれる。
日本において法的には宅地建物取引業法の第2条で宅地建物取引業(者)と定義される。
法定義
宅地建物取引業法の第2条
- 宅地
- 建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むものとする。
- 宅地建物取引業
- 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行なうものをいう。従って自らが貸主になる場合は該当しない。
- 宅地建物取引業者
- 第3条第1項の免許を受けて宅地建物取引業を営む者をいう。
実際に不動産事業を行うためには、宅地建物取引主任者の有資格者が必要となり、営業所が複数の都道府県にまたがる場合は国土交通大臣、1つの都道府県の場合は都道府県知事の事業免許が必要となる。免許の有効期間はかつては3年だったが現在は5年。免許番号は「国土交通大臣(4)第1234号」「東京都知事免許(1)第23456号」のように、カッコ内の数字が免許の回数を表しており、おおよその業歴がわかるようになっている。なお、宅建業法第77条で信託銀行は国土交通省への届出により国土交通大臣の免許を受けたものとみなされている。免許番号は「国土交通大臣届出第1号」の形になる。
宅建業法第78条の規定により、国・地方公共団体には本法が適用にならない。特殊法人や独立行政法人、地方住宅供給公社もその根拠法で本法の適用が除外されている。
不動産業界
不動産会社は宅地建物取引主任者の有資格者や事業免許が必要ではあるものの、飲食業などと同じく参入が比較的容易であることから、中小の個人経営の会社まで含めると非常に裾野の広い業界である。また、不動産専業ではなく建設会社や工務店など施工業者がそのままマンションや建売住宅の分譲を行っているケースや、鉄道事業者や鉄鋼メーカーなど他業種の企業の一部門及び子会社が不動産事業を行っているケースも多く見られる。
大手不動産会社の特徴
不動産業界は、古くから都心などの一等地を大量に保有していた旧財閥系企業と、沿線の住宅開発などを手がけてきた鉄道系企業が中心に大手を形成している。旧財閥系では丸の内エリアの一等地のほとんどを所有している三菱地所がその典型的な例である。
その他にも商社系・メーカー系・ゼネコン系・金融系企業などがある。
- 旧財閥系不動産会社
- 三菱地所(三菱財閥)・三井不動産(三井財閥)・住友不動産(住友財閥)・東京建物(安田財閥)
- 鉄道系不動産会社
- 関東 … 東急不動産(東京急行電鉄)・小田急不動産(小田急電鉄)・ジェイアール東日本住宅開発(JR東日本)
- 関西 … 阪急不動産(阪急電鉄)・近鉄不動産(近畿日本鉄道)
- 商社系不動産会社
- 伊藤忠都市開発(伊藤忠商事)・丸紅不動産(丸紅)・双日リアルネット(双日)
- メーカー系不動産会社
- 新日鉄都市開発(新日本製鐵)・神鋼不動産(神戸製鋼)・旭化成ホームズ(旭化成)
- ゼネコン系不動産会社
- 有楽土地(大成建設)・清水総合開発(清水建設)・藤和不動産(フジタ)・長谷工アーベスト(長谷工コーポレーション)
- 金融系不動産会社
- 平和不動産(証券各社)・野村不動産(野村證券)・オリックス・リアルエステート(オリックス)・興和不動産(みずほコーポレート銀行…旧興銀系)・日本土地建物(みずほ銀行…旧第一勧銀系)
主な不動産会社の創業時期
- 東京建物 … 明治29年10月1日
- 三菱地所 … 昭和12年5月7日
- 三井不動産 … 昭和16年7月15日
- 住友不動産 … 昭和24年12月1日
- 東急不動産 … 昭和28年12月17日
- 野村不動産 … 昭和32年4月15日
- 森ビル … 昭和34年6月2日
- 森トラスト … 昭和46年6月10日