パチンコ

パチンコとは、娯楽あるいはゲームの一種。そのパチンコをする店を「パチンコ店」または「パチンコ屋」と呼ぶ。

概要

パチンコ台、あるいはパチンコ機、遊技台(法律上の名称は「遊技機」)は内部多数の真鍮製の『釘』や鉄板製の小さい『風車』を数個打ち付けた板を概ね垂直に近い状態で設置し、釘の頭からわずかな間隙をのこして板ガラスで覆ったものである。

パチンコ球と呼ばれる直径約11ミリ、重量約5グラムの鋼球を玉貸機(サンド)などで借り、パチンコ台に挿入し、内蔵される発射機から球を発射する。弾かれた球は羽根や回転体、「チューリップ」のような機械仕掛けの「役物」に当たりながら複雑な軌跡で下に落ち、入賞口(当たり穴)に球を入れることにより規定数の入賞球を獲得することができる。役物は機械仕掛け・電気仕掛けにとどまらず、近年ではデジタル部品を駆使したデジパチと呼ばれるハイテク度の強い機種が主流である。

球の借り賃は全国一律1個4円以下と決められており、最低の貸し出し単位は25個(100円)である(ただし警察では2000年12月に「消費税分は1個4円以内という制限に含まれない」との見解を示しているため、今後100円で25玉に満たない貸し出しを行う店が現れる可能性がある)。

パチンコ店の営業は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第二条七で「設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業(7号営業)」と規定されており、入賞球は繰り返しゲームに使用できるだけではなく、後述する様々な景品との交換が認められている。市場規模は約30兆円にのぼるが、景品交換所を通じて払い戻すという独特のシステムを取ることから、実態規模としては3兆円程度とみられる。

景品交換

タバコ・菓子などの「(一般)景品」と換金可能な「特殊景品」の2種類があり、大多数の客は特殊景品と交換する目的でパチンコを行う。入賞により獲得した玉を景品と交換する場合、一般景品は借りた時と同じ1個4円の等価交換により交換できるが、特殊景品と交換する場合は店によって交換率が異なる。等価交換の店もあれば1個3円~2円など様々である。

一般景品

タバコ、菓子や、店によって電気製品、ネクタイ・ハンカチ・靴下などの洋装小物、化粧品、アクセサリー、CDやDVD、食料品など様々で、大型のパチンコ店内の景品交換コーナーはさながら小型のスーパーマーケットのような感じである。 かつては景品に、どうしても事務所が売り込みたい演歌歌手やミュージシャンのCDやLPが置かれる事もあった。1990年代までのオリコンチャートでみられる枚数は、パチンコ店の買い上げ枚数も上乗せされてカウントされる場合もあった。現在のJPOPと演歌業界はそれほどのスターを出せなくなったことに加え、ネット普及で新たな聴取層が生まれる楽曲も無視できなくなったために、このような上乗せはやっていない。

特殊景品(換金)

特殊景品(主にライターの石やコイン入りのカードなど)と交換した後、店外の景品交換所で現金と替えることができるが、パチンコ店が景品交換所を経営することは禁じられている。これは、パチンコはギャンブルではないという建前からである。

ギャンブルではないという建前の為にパチンコ業界は三店方式と呼ばれる方式を採用している。

このホール、景品交換所、景品問屋の三店がまったく違う経営主体という建前のもと、パチンコ業界は違法性を逃れている。しかし神奈川県川崎市高津区のパチンコの景品交換所では「持ち込まれた景品に偽物が混じっていた」として、偽造景品による詐欺事件が発覚したが、この被害届が景品交換所ではなく、ホールから届出されていた。景品交換所とホールの関係が証明されたにも関わらず神奈川県警は捜査、取締りを行っていない。

このようなことから分かる通り、パチンコ業界と警察の結びつきは強く、法律的に極めて違法性が高いと言えるパチンコ業界を黙認する見返りとして警察官僚の有力な天下り先となっている。このため、本来日本では賭博は原則禁止、例外として認められている賭博は全て公共目的の為となっているが、私的目的のパチンコを黙認し、財政難の地方自治体が訴えているカジノ設立は収益金を公的に還元する目的に関わらず、警察は賭博であるとして設立を認めないという齟齬が生じている。ちなみにこの三店方式を応用した私営カジノが摘発されているが、カジノは風適法で規定される8号営業とされ、遊技の結果に応じて景品を提供することが認められていない為である。

遊技機

ひと昔前のパチンコ台は、玉を弾くスプリングを戻す強さの加減をレバーを使って手で行いながら一発一発打っていた。現在のパチンコ台は玉の自動射出機構を備えており、ハンドルに手を添えるだけで玉を打つことができる。手を添えている間は永続的に玉が射出されるため、射出を一時的に停止させるストッパー(ハンドル付近の押しボタン、大概の台は親指で押せる位置にある)も搭載されている。

また、CR機(Card Readerの略―玉を貸し出すためのプリペイドカードを読み取らせる機器が付いたパチンコ機)の導入以降、1回の大当たり(特賞)の入賞球を増やしたり、確率変動(確変)の導入により、大当たりの確率を高めたりして、代わりに特賞以外の入賞球を減らすなど、射幸心を煽る傾向にある。そのため、確変・特賞が続けば大量の入賞球が獲得できるが、そのための投資も大きい、いわゆるハイリスク・ハイリターンとなった。このため、一種のギャンブルの様相を呈し、パチンコ客の固定化・減少化を招いている。

近年のパチンコ台ではかつてのアニメーション・特撮ドラマなど子供向けキャラクターを題材にしたもの、あるいは著名芸能人が監修・キャラクターを務めるものも開発されている。

インターネット上では近年のパチンコ台をゲームにしたパチンコゲームと呼ばれるものも人気を集めている。

遊技機は国家公安委員会の指定試験機関である保安電子通信技術協会によって規定上の条件を満たしているか試験が行われ、その後各都道府県の公安委員会の検定を受け、その後ホールに設置され、ホール所轄の警察が試験を行う。全ての試験を合格することで初めて客が遊技することが可能となる。

また、検定の有効期間は3年間有効とされ、有効期間を過ぎた遊技機は使用することができない。

問題点

パチンコは換金行為の違法性および中毒性などからさまざまな問題となっている。以下に例をあげる。

この他、かつては分煙が徹底されておらず、店舗によっては店内に煙が充満している店も多々見られ、煙に巻かれて気分を悪くする者もいたが、2000年ごろより社会的に分煙志向が強まったことや、空調設備の完備、女性客の増大を見込んでの「清潔で過ごしやすい店内」を実現する上での分煙化、また2002年の健康増進法施行による分煙の義務化といった後押しもあり、紫煙渦巻くような店舗は改善される傾向にある。

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